スペイン サンティアゴ・デ・コンポステーラへ

スペインとポルトガルの地図
ヨーロッパの西のはじ。




その北(上)のほう。
左側にポルトガルポルトと世界大会の
行われたギマランイスがあります。

きょうは、国境越えの電車で北に向かって
スペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラまで。






駅で聞いてみると、電車で一本、4時間で
着くけれど、ポルトガル国内のぶんしか

切符は買えないから、列車の中で車掌さん
から、スペインの分を買ってください。
はいはい。





いつも荒れているというという北の海。
宮本輝の「地ここに始まり、海ここに終わる」
という小説が、ふと浮かびました。
ストーリーはよく覚えていないのですが、この地が
舞台のすきとおったような恋愛小説だった気がします。





途中のタイルがきれいな駅





雨もようの窓の外はまるで、イギリスの画家、
ターナーの風景画のよう。





だんだんに晴れてきて、オレンジやレモンの木
低い灌木が続くそとの景色は、ミロ(スペイン人
ですよね)の「わたしの農園」というなまえ
だったでしょうか、農村の絵を思い出させます。





列車の中でバニェイロ(トイレ)はどこですか?
近くにいたおばあさんい聞くと、通じない。。
今までずっとだいじょうぶだったのに。。

そばにいたともだちらしき人が、何か言うと
おばあさんが「あ〜、ブラジレイロ(ブラジル語)
ね!」
そうだったんだ。辞書を引いたら、ポルトガル語
サニタリオ(英語のサニタリーと同じ?)と出ていました。






途中で、列車は終点で〜す!
え?聞いてない。
とりあえず、向かい側の列車に乗り換えると、
どうも座席指定。まわりの人に聞いてみると、
説明は急にスペイン語に。(まあ、込み入った
話はポルトガル語だってよくわからないけど)
誰かが車掌さんを呼んできてくれて、ようくわから
ないまま、「窓口についておいで。」
「ここは、ポルトガルそれともスペインですか?」
高らかに、「エスパーニャ!」の返事。
あ、すいません。
「ところで、なんという駅?」
「ヴィゴー!」
無事サンティアゴまでの切符を手に入れました。
ありがとう、女性の車掌さんでした。



もっとずっとずっと乗っていたかったのに、

次はサンティアゴ・デ・コンポステーラのサインが。
電車は列車内アナウンスも販売もなくて静か。
さて、いつものようにとなりの席の人に聞かなくては。
でも、となりは学生さんかな。
サングラスでちょっととっつきにくそう。
がんばって、宿の予約書を見せて、
「ここにいきたいのですが。。」
しばらく黙っていて、ちょっと気まずい。
でも、ポケットからスマホを出してきて、
ひゅんひゅ〜ん。
アプリで地図をさがして、でもうまくみつから
なかったのか、目にもとまらない速さで
名前を打ち込んで、場所を調べてくれました。
「駅から北の方に40分くらい歩くね。
街に着いたら、もう一度聞いてみてください。」
は、ありがとうございます。
じぶんでは持っていなくても、まわりの人が
もっていてくれれば、スマホは便利。





駅の外に出ると、街はずれ?なんだか
さみしそう。

街はどっちですか?
女の子に聞いてみたら、階段を上がって道を
わたって、それから・・。
教えてくれました。




雨もぽつぽつ降ってきて、なんだかよく
わからないままぐずぐずしていたら

なんと、さっきの女の子が戻ってきて、
「こっちこっち」街へのメインストリート
まで連れてきてくれました。
どうして、みんなこんなに親切なんでしょうか。。
親戚でも、好きな人でもなくて、
なにも得になるわけでもないのに。
目の前に困っている人がいる、と考える前に
助けてしまう。
無償の愛ってこういうのでしょうか。
旅に出ると、感激が大きくなってしまいます。






20分ほどで、街中の観光案内所までたどり着いて、
おなかぺこぺこ。
どうもポルトガルは夏時間のようで、スパイン
に来たら、1時間逆戻り。

となりのカフェで、食べたかったパエリャ。
500円!
パラパラ、かみごたえがあります。
ちょっと気になって、お店の人に
「これ、チキンよね?」
「そう、チキン。それに・・
ラビット」
う〜ん、ちょっと骨のかたちがあやしい
と思ったのです。あっさりしてます。
「わたし、ペットにラビットを飼ってたの」
おにいさんは、にこやかに笑ってます。





腹ごしらえもできて、今夜の宿を探しますが、
曲がりくねった細い道。案内所でもらった
地図もどっち向きなのかぜんぜんわからない。

また、雨も降ってきて、目の前のおばさんに
地図を出して聞いてみると、
「ちょっと待って」老眼鏡で見て、いっしょに
歩いてくれますが、うろうろわからない。。
そんなわたしたちのそばを通りかかった
男の人が、「どれどれ」
また、15分ほども歩き回る。看板が小さく
て見にくくてわかりにくくて、ずっとぐるぐる
歩いていた目の前にあったのでした。





小さなホテル窓からの眺め。
ちょうどカテドラル(大聖堂)の真裏。







少し休んで雨の街へ。
カテドラルへ向かう回廊の屋根の下。

何をひいているの?
聞きながら踊っているひともいます。





ぶお〜んぶお〜ん

ながいホルンのようなものは、オーストラリアの
楽器で、ディジュリドウーというなまえ。
ギターのようなのは、ギリシャのボゾウキーだ
そうです。
ふたりとも、淡々と弾きます。
なんていうんでしょう、バッハのチェンバロ
演奏を思い出します。あまり抑揚をつけなくて、
気持ちを込めた演奏というより、
大聖堂に響くBGMのように、まわりに溶け込んで
ず〜っと続きます。





石畳の上には、巡礼の道を示すホタテガイ
マーク。

あと一息で、終点の大聖堂。






やっとたどりつきました。
サンティアゴ大聖堂。

広場のうしろにも建物があるので、全体の写真
は撮れません。
5年くらいまえにホタテガイの貝殻をもらった
時、この大聖堂の絵を描いたのです。
そうしたら、考えてもいなかったのに、
ほんとうにここやってきてしまった。。
ことばにしなくても、絵にしたり形にしたり、
無意識下のじぶんの気持ちは、届いてしまうのかも
しれません。









やっとここまでたどりついて、ほっとして、
夕食は、ミートパイと紅茶。
小さなカフェの奥でおじさんたち。
「撮ってもいいですか?」

「あいつのカードを撮ってみせておくれよ!」
な〜んて。
ゴッホだったでしょうか、カードをしたり、
ジャガイモを食べたりしている農民の絵が
ありましたっけ。




長いブログおつきあいくださって、ありがとう
ございます。
あしたは、教会それにスペインで馬!です。