サンティアゴ巡礼の道1. スペインの馬

目が覚めて窓をあけると
鐘の音があちこちから。

きょうは、サンティアゴの巡礼の道のお話。
きのうのブログの地図を見ていただいて、東(右側)
のフランスの国境あたりから、1っか月くらい
歩いて、ここサンティアゴの教会を目指します。
途中はんこをもらって、最後に証明書をもらう
ところは四国のお遍路さんそっくり。





朝ごはんを食べに行って、相席だったのは、
ドイツ人のカップル。
「去年と今年2回に分けて、45日間かけてドイツの
ミュンヘンからフランスを越えて、カミノ(巡礼の道)
を自転車で来たんだよ。
今日、帰りはレンタカーで車の置いてあるフランス
との国境まで戻るんだ。
ぼくは70歳。彼女は元教え子。結婚はしてない
けど、もう三百年もいっしょにいるよ。」

すごい!





どうしても聞いてみたかったのは、
「健康とか何か願かけ、それともお礼
参り?」

「宗教的理由は、ほんのすこし。あとは、
なんていうのかな〜。。」
「挑戦と達成感?」
「そうそう!」
わたしがヨガをやっているというと、
自分も15年ほど前、腰を痛めたけれど、
ヨガで治ってまた、自転車に乗れるよ、と
話してくれました。





(ホテルの床のタイル)

「自転車で山を登るって?」
「そう、2時間かけて登って、2分で降りるのさ」
「想像もつかない。。」
「去年は、とてもドライで暑かったけど、今年は
寒くて雪の草原をを一日中走って凍えたよ。」
「歩きと自転車のほか、馬でも巡礼の道を歩いた
ことになるそうだけど(車はだめ)馬ってどうするの?」
「山の手前で馬を借りる人もいるよ。峠を
越えたら返すんだ」
「なるほど」





大聖堂の中。

雨が降ってきて、しばらく座っていましたが、
高いドームの細長い窓がとてもうまく明り取り
になっています。
御ミサが始まってしまって、パイプオルガンの
音と、シスターの細く澄んだ歌声に包まれました。
ここには、サンティアゴ(キリストの12人の弟子
のひとり、エルサレムで殉教したヤコブ)の遺体が
安置されています。

イスラムの侵攻などで長い間忘れられていま
したが、ある日、羊飼いが野原(カンポ)で
星(ステラ)に導かれてこの場所を探し当てた
のだそうです。で、サンティアゴ・デ・
コンポステーラと呼ばれるのだそうです。





ほんとに老若男女。
巡礼の人たちがいっぱい。

一か月歩いてきても、リュッククの人たちも
意外に臭いません。






雨もあがったので、街に出て、早お昼。
スペインオムレツ、注文しましたが、
ふつう。。たまごとジャガイモ。

もう少し高いお店だと、バリエーションが
あったかも。





窓辺でおしゃべりを続ける学生さんたち?
ここにはすてきな美術学校があります。






そして、いよいよ馬に乗りに。
観光案内所で電話番号など教えてもらって
宿のフロントで予約を取ってもらいました。
バスで20分、バス停まで迎えに来てくれる
はずが、「人でが足りなくて・・。」
歩いても来れるから、とのこと。
もう、ここまで来たらなんでもやります。
とはいえ、バスを降りて歩いてもなんにもない。。
途中のガソリンスタンドで聞いたら
「牧場まで歩くって?タクシーじゃなくちゃ無理!」
タクシーに乗れて、やっと見えてきました。






こんにちわ〜♪

建物も、馬たちも楽しそう。





牧場の人。





純血のスペイン馬を見せてあげよう。

挑戦的な目。
ビロードのような毛。
筋肉の張った胸。
でも、あまり黒くてうまく写りません。




「どんな馬に乗りたいの?」
「おとなしくて、よく言うことを聞いてくれる馬」
「じゃ、この子でどうだい?」

16歳のミックス(なにがまざっているのか忘れ
ました)。私向きに小さめ。
去勢馬、草食系のリンドくん。





それじゃ、いくよ。
スペイン語しか通じない地元の人について
林の中へ。

うしろから、あれこれ話すと話が
こんがらがります。で、お互いにっこり笑って
無口に進みます。





は〜い。

リンド(きれいという意味)君、名前どおりかわいい。





シェパード2匹とビーグル1匹がついてきます。

馬のしっぽでじゃれたり、ケンカしたりしながら。





こわそう?

そうでもないです。いつも、ご主人の方を
チェックしています。
うさぎ、シカなどいろいろでてくるので、
馬が驚かないように見張っているのかな。
自転車が急にでてきただけで、とても
驚くリンド君。やっぱり乗っているときは
注意が必要です。






ひょうきん者のリンド君。
私は甘く見られているのか、しょっちゅう
まわりの枝の葉っぱを歩き食べ。
NO!
と手綱を引いても、またすぐやります。

へへ!





リンド君が好きな黄色い花の枝。
エニシダ





林の中をどこまでも。
水たまりの中をリンド君はおもいきりぱしゃぱしゃ
進みます。
だんだん進んでいくうちに汗ばむはだ、そっと
首元に手をあてると暖かくてしっとり気持ちいい。

こんなふうに少し前を行くガイドについて
馬に揺られて木々の中を進むって・・
人生ってこういうものなのでしょうか〜。






あっという間に2時間半もたっていました。
(3200円。安いです)

おかえり〜。





リンド君、グラシアス!(ありがとう)

にんじんももってなかったのですが、
ありがとう、というと、リンド君もほうからも
ほほを寄せてくれて、キュン。





もう、かえらなくちゃ。
バスの時間に間に合わない。
これで、夜の7時過ぎ!明るい。

外にいた白馬もさよなら〜。





静かな野原。





はるか遠くに見えるのはサンティアゴ

またゆっくり来れば、5時間で山頂まで
往復できるよ、って。
いつか、来られたらいいですね〜。





帰りのバスの中では、急にまた雨が。
これで、この旅の予定は無事終了!
あ〜、ほんとによかった。。

ふと窓の外を見ると、虹が。
しかも二重に。
うまく撮れませんでしたが、虹のはじめと
終わりが野原に落ちているのが見えました。
なににかわからないけど、感謝。。






そして、この先、旅の難関が待っていることも
知らず、うとうとするわたしでした。