草上ヨガ  谷川俊太郎

この間まで、満開のさくら色だった木が、今は、
こんなにきみどり色。






このところの雨で、芝生は、ゴルフ場?
と思うほど、青々。





小川の上の太陽もあたたかそうにゆらゆら。






きょうは、この花に瞑想って、ただこのはな
だけを見つめる。
小指のつめより、少しちいさいくらい。
見つめていると、ふっと視力がよくなった
ように、はっきり見えようになる。
比喩じゃなくて、じっとひとつのものを
見つめていると、そのもの(ひと)が
よく見えてきたりするのだろうか。






それから、猪熊弦一郎展へ。

谷川俊太郎さんの無料ギャラリートーク
ありました。
ちゃんちゃんこのようなベスト姿で、お年は
召していましたが、やわらかく若い声で、詩を
朗読なさっていました。





げんいちろうさんは、とてもうまく絵が
描けるので、いかにヘタにかくか、苦労して
いたそうです。
(フランスで、マチスのまねがとてもうまい、
と言われてとても傷ついていたそうです)





人は年輪を重ねるように生きるから、
今の自分は木の一番外側の輪で、どんどん
芯の方に向かっていけば、3歳か5歳の
頃の自分に戻って、絵や詩がかける
そうだ。
とっても、むずかしいけどね、
って。





詩人は、さくさくさばさば、いろいろな質問
にも答えて。
たべるものは、何が好きですか?
ーーパンとかうどん。
朝はなにを食べますか?
ーー食べない。
料理は、しますか?
ーーなるべく材料の素材を生かして。
ということは、大した料理はしないってことだね。
ーーことばがどんどんあふれてくることは、
ありませんか?
ーー昔はね。そういうときは、4行ずつヴァース
に分けた。
でも、あんまりしょっちゅうことばがあふれて
きたら、(そりゃきみ)ちょっとあたまが
へんってことになるよ。




絵も詩もいいけれど、外に出たら





ことばなし、解説なし。
やっぱり、外の風の音に揺られて、
ぽっかり雲をぼーっと見上げているのが、
いちばんいいわ。
だって、この青さだものね〜。
くつろいで、しみじみ。。。