夕方の風に吹かれてジャズ

午後出かけて上を見上げると、初夏の若葉の下で

なんだか少し、前転した後のようなくらくら感。

電車の中で、戸外でのコンサートのお知らせを

見つけて、

夕方、ガーデンカフェでギターとキーボードの

ジャズが聞けました。

いつも聞いている曲をたくさん演奏してくださって、

後ろのスクリーンに沖縄の海が大きく映って、

きこえない波、

という曲と一緒に、壁のないカフェから、

そのまま南の海へ。

波間に揺れているようでした。

 

A Memory of the Sepia

よく出演なさった、古くからあるジャズクラブの事を

曲になさったと前に聞いたことがあるような気がします。

(違っていたらごめんなさい)

表情がおもしろく変化していって、ずっと旅していく

ような曲です。

 

隔たり

という曲は、静かに美しくて一番印象に残りました。

コロナの間に作られたそうですが、

見えない大きな隔たりも、こんなふうにきらきらと

きらめいているのかもしれません。

 

そのあとの「サイクリングロード」は

素晴らしい演奏で、どんどんスピードが上がって

壁のない空まで自由に上っていけそうでした。

間奏曲2、三つの風、など曲の動いていくようすに、

ただ揺れました。

絵に描いたばかりの「もず」も聞けて、夜のカフェの

道沿い、高い樹の上でもずが鳴いているようすが

そのままでした。

 

スタンダードナンバーのWho Cares、

In Your Own Sweet Wayも聞けて、

これもコロナの間に作られたという、かなしい青空、

それに、きのうの雨、という竹林の雨の気配が

感じられるような曲は、この頃の急な雨に、

また思い出されます。

 

サイクリングロードも小さな道も

滑らかにカーブして、どこまでいくのかな。

 

外の少し冷たい風もむしろすがすがしくて、

いつまでも覚えているような素晴らしい曲たちと、

演奏をありがとうございました。